2021.10.11

【解説】コロナ禍におけるドラッグストア購買行動の変化

データ分析<市場調査>

このトピックスでわかること

・ドラッグストアの来店時間帯の変化について

・ドラッグストアでは男性客が増加している

・ドラッグストアで前年より売れたモノ

 

 

はじめに

今回は小売業の1つ、ドラッグストアにおけるとコロナ(COVID-19)消費についてお伝えします。

電通リテールマーケティングのID-POSデータからドラッグストアにおける売上カテゴリーを調査しました。

売上推移から、コロナ前・コロナ禍でどのような変化あったかを紐解いてみます。

 

 

【買い方の変化】ドラッグストアの来店時間帯

コロナ禍における生活の変化は、買い物をする時間帯にも影響しています。国内で
コロナウイルスの感染が広がり始めた2020 年2 月以降、ドラッグストアでは午前中に来店にする購買客が増えました。(図1)

第1 波のときには営業時間の短縮などもあり夜間の買い物は制限されましたが、緊急事態宣言解除後の6 月以降も、

午前中と日中12:00 〜16:00 の来店人数は前年を上回っており、一定の定着を見せています。

 

在宅勤務の推奨や行動範囲の縮小などにより、生活のスタイルやパターンが変化したことで、ドラッグストアを化粧品や医薬品を買う場所として利用するだけではなく、
よりコンビニエンスストアに近い位置づけで利用している人が増えているのではないかと推測されます。

 

 

大手コンビニエンスストアの売上高が軒並み前年割れしています。

一因として、勤務先の近くで利用していたコンビニエンスストアから、

平日の昼間に買い物ができる居住地近くのドラッグストアへスイッチしている人も

多いのではないかと推測されます。

 

 

【購入客の変化】ドラッグストアでは男性客が増加

ドラッグストアの来店客数は男女共に前年を上回っていますが、

年間を通じて女性客よりも男性客の増加率が高かったことがわかります。(図2)

 

 

在宅勤務や外出自粛により、勤務先の近くや移動過程でのコンビニエンスストアの利用が減りました。

代わりに居住地近隣のドラッグストアで買い物をする機会が増えたことに加え、

以前から化粧品の購入でドラッグストアに訪れる機会が多かった女性客よりも、

あまりドラッグストアを利用していなかった男性客が今まで以上に利用するようになりました。

 

 

【購入場所の変化】ドラッグストアで前年より売れたモノ

ドラッグストア(2020 年1 〜12 月)では、「喫煙用具」の売上が大幅に増加(前年比275.4%)しました。

これも、購入場所がコンビニエンスストアからドラッグストアに変わったことの現れかもしれません。

また、巣ごもりからくる健康意識の変化からか「ビネガードリンク」の売上が増加(前年比156.7%)したのに対し、

「ミニドリンク剤」の売上は減少(前年比77.0%)しました。

 

その場の疲労回復のためではなく、毎日の健康を考えた飲料に需要が変化しています。

 

 

最後に

電通リテールマーケティングは、創業当時より、流通・小売や消費財メーカーをはじめ、
多種多様な業種業態の皆様にデータ提供・分析サポート、データコンサルティング、
データ基盤構築、データ分析結果を活用したデータマーケティング事業を展開しております。

・ID-POSデータは保有しているもののデータ分析に活かしきれていない

・新たなデータソースを活用して自社の戦略を見直したい

・自社商品の店頭マーケティングをよりデータドリブンにしていきたい

・データ分析基盤の構築やデータ分析のさらなる効率化を目指したい

といったご要望があればぜひお気軽にお問い合わせください。