2024.10.31
売り場トレンドレポートvol.5「Z世代が創るZ世代のためのディスカウントストア」
Z世代
「売り場トレンドレポート」vol.5
電通リテールマーケティングと電通tempoの共同プロジェクト「ジェネキュン」
では、Z世代メンバーが気になるお店を見に行き、その様子をレポートとして発信しています。
Z世代ならではの目線で、そのお店の魅力や見どころ、さらには売り場づくりのアイデアに繋げられそうなポイントを紐解いていきます。
第5回目となる今回は、『Z世代が作るZ世代のためのディスカウントストア』についてのレポートです。
売り場トレンドレポートvol.5「Z世代が創るZ世代のためのディスカウントストア」
趣味はドライブ。Instagramで見つけたおいしそうな飲食店に出かけることがブーム!
ジェネキュンプロジェクト Z世代メンバーのちばです。
今回、私は「Z世代が作るZ世代のためのディスカウントストア」に行ってきました!
誰もが知るディスカウントストアがZ世代特化型店舗を次々と展開しています。
コンセプトから商品の仕入れ、売場づくりに至るまでZ世代の意見を多く取り入れていることが最大の特徴。新しい「ワクワク」「ドキドキ」を提供するお店を目指しているそうです。
今回は、Z世代が考えるZ世代のための「ワクワク」「ドキドキ」のヒントを探してきました。
店内にはこんなこだわりが・・・!
店舗に足を運んでまず驚いたことは、お店の印象です!
同ブランドが手掛ける通常店と比べて、広い店内から落ち着いた明るい雰囲気を感じることができました。白を基調とした壁紙・棚にペールトーンのネオンが特徴のPOPが映えていました。店内BGMでも、賑やかな通常店と違い、友達と会話しながら楽しめる音量だと感じました。長時間楽しめちゃう雰囲気が早速伝わってきます。
入り口には、アクリルで仕切られたオープンキッチンに片手で食べ歩きできるドリンクやスイーツが。思わず、購入して写真を撮りたくなってしまいますね!
商品棚ディスプレイの間も広い通路が確保されているため、学生バックを持っていても入りやすい雰囲気が入口から伝わってきます。友達と一緒だったら、絶対に立ち寄りたくなってしまう…。
学生時代、こういうところで青春を送ることに憧れていた自分を思い出しました。
お菓子ゾーンでドキドキ、お化粧品ゾーンでワクワク!
店内は、お菓子ゾーンとお化粧品ゾーンに大きく分かれていました。ところどころにSNSを中心に人気を広げるコアなキャラクターから王道な人気キャラクターの雑貨も並んでいるため、思わず「かわいい!」「これ知ってる!最近話題の…」と手に取ってしまう誘惑の多い店内です。
お菓子ゾーンは、昭和を感じさせる駄菓子からSNSで話題のお菓子、海外の映えるお菓子まで、商品群がバラエティ豊かで、選ぶのに迷ってしまいます。ディスカウントストアならではの段ボールに積み上げられた「賞味期限の近いお菓子」などもチラホラと。POPにお菓子の特徴やオススメポイントなどが口コミのように書かれているので、見たことのないお菓子にもついつい手が伸びてしまいます。「Z世代のスタッフが販売する商品を選んでいる」ということに加えて、SNSのような等身大のコメントは、このお店ならではだと思いました。
だれかと一緒に購入したり、複数人でシェアしたり、「お菓子を食べる」という行為を誰かとより盛り上がることができそうな商品にドキドキします。また、見たことのないギャル感あふれる映えスイーツなども陳列されており、ここから流行が始まりそうな雰囲気も!
また、私が足を運んだタイミングでは、ベビーカーを押してお子さんとお菓子を選ぶ方がいらっしゃって、とてもほっこりしました。普通のスーパーでは見かけないカラフルなお菓子に、小さなお子さんも目をキラキラとさせていたように感じます。店内に歩きやすい棚の幅を確保することは、ファミリー層にもうれしい配慮です。
お化粧品ゾーンでは、InstagramやTikTokで見たことがある話題のコスメが並んでいました。什器も、韓国アイドルやインフルエンサーを中心としたものが多くラインナップされています。ネットショッピングだけの取り扱いかと思っていた商品も、テスターが置いてあることに感動しました。化粧品のお買い物の失敗を避けたい私にとって、とても嬉しいサービスです。友達にテスターを試した自分を見てもらって、おしゃべりしながら購入するのも楽しそうです。
また、インバウンドのお客さんも多いのか、韓国語や中国語の案内も多くみられました。K-POPブームによりZ世代は韓国語に馴染みの深い世代なのかも…。異文化が交じり合う売り場に、ワクワクしました。
足を運べば最先端!?楽しめる店内は、誰かとシェアしたい!
話題のあのお菓子、思わず写真を撮りたくなる映えスイーツ、憧れのあのインフルエンサーが使っていた化粧品たち。SNSが現実になったお店というワクワク・ドキドキを感じました。誰かとシェアしながら楽しみたい店内です。 SNS上でもリアルでも、食・美容の体験を人とシェアできる店舗は、Z世代にとって足を運びたくなる最大のポイントではないでしょうか!
また、これから流行るかもしれない見たこともない商品が並んでいることから、普段のお買い物以上のエンターテインメント性あふれる店舗だと感じました。
あったらいいなと思う売り場アイデア
今回の店舗視察を通して、あったらいいなと思う売り場アイデアを考えてみました。
商品の口コミや使い方が、SNSではなく売り場は消費者目線で書かれていると良いなと思います。
例1)洋服×着回しコーデ
YouTubeやInstagramなどで着回しコーデを目にすることが増えましたが、洋服売り場で着回しコーデを知るきっかけがあれば、消費者にとっては「ありがたい」、小売りにとっては「より購買につながりやすい」と考えます。好きなインフルエンサーや憧れの著名人がいる場合、その人の着回しを見て、同じ商品もしくは似た商品を探してお買いものに出かけることがあるかと思います。一方で、自分がよく足を運ぶお店で洋服を購入する方も少なくはないと思います。「こういうのが欲しいけど、どう着たら良いのかわからない」「素敵だけど、着回しはどうしたら良いのかな」など、実際に手に取った洋服の着方・着回しコーディネートについて知れる売り場があったらいいなと思いました。
Z世代は他世代と比べて「買い物に失敗したくない」という意識が強いというデータがあるそうです。「この服を購入した場合、どのように・どれくらいこのお洋服を着られるのか」そのイメージの幅が広げる売り場作りが、洋服購入のハードルを下げることができると考えます。
例2)ライフハック雑貨
メーカーが本来推奨する使い方だけではない使い方で、SNSで話題になる商品があります。そのような一見ではわからない、ライフハックに役立つ商品が店頭の売り場で伝わると良いと思いました。 SNSにあふれる便利な「実は」といった商品の情報が、ユーザー目線で売り場にて知ることができれば嬉しいです。
例えば、年末に向けてお掃除商品の売り場に、見逃しがちな台所の隙間にマスキングテープを貼ることによって、ほこりが溜まってもテープを張り替えるだけで綺麗な状態が維持できる!など。
逆にいつも使っているあの商品で、こんなところまでキレイにできちゃう、という目新しさがユーザー目線で書かれていれば、新たなヒントが見つかる新鮮な売り場になりそうです。
まとめ
今回「Z世代が作るZ世代のためのディスカウントストア」に足を運び、お菓子とお化粧品の最先端を見ることができました。SNSの「#お菓子」「#コスメ」が現実になったような店内は、思わず誰かとシェアしたくなる魅力にあふれています。流行りと廃りのサイクルが早く、情報への感度が高いZ世代にとって、このようにZ世代が選ぶ商品が並び、誰かと一緒に楽しめる店舗は、今後貴重な場所だと思います。
以上、「Z世代が作るZ世代のためのディスカウントストア」についてお伝えしました!
今後もZ世代が気になるお店を見に行き、レポートを発信していく予定です。
2024.10.31
vol.4はこちら!⇒売り場トレンドレポートvol.4「新感覚を体験できる無人店舗×本屋さん」
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