2022.06.03
コロナ禍のスーパーマーケットID-POSデータを用いた調理加工食品の購買状況変化2
データ分析<市場調査>
このトピックスでわかること
・スーパーマーケットにおける売上前年同月比推移
・コロナ禍における調理加工品の購買行動の変化
・緊急事態宣言下の購買行動データ分析
第1回はこちら
コロナ禍のスーパーマーケットID-POSデータを用いた調理加工食品の購買状況変化1
はじめに
東京都では新型コロナウィルス感染者数が落ち着いてきました。
マスク着用に関する議論も再燃しており、マスクを外す行動には移っていません。
電通リテールマーケティングでは全国の全国スーパーマーケットID-POS 230万人パネルを保有し、
流通・メーカーのデータ分析サービスを行っております。
2021年10月までのID-POSデータからスーパーにおける食品売上カテゴリーを調査しました。
売上推移から、コロナ前・コロナ禍でどのような変化あったかを紐解いてみます。
調理加工品とは
ここでは調理加工品は以下の類を指します。
具体的には「ごはんの素・具」「パスタソース」「鍋の素」などを指します。
詳細は下記のマーケトピックスをご参照ください。
コロナ禍のスーパーマーケットID-POSデータを用いた調理加工食品の購買状況変化1
調査方法
そこで、マーケトピックス編集チームは以下のデータを使用して分析を行いました。
分析使用データ:電通リテールマーケティング全国スーパーマーケットID-POS 230万人パネル130店舗データ
分析期間:2018年11月~2021年10月(3年間)
売上前年同月比からみる年間購買実績
調理加工品でみると、「鍋の素」「ピザ」「調理済総菜」「スナック」の売上が伸長しました。
前回の調査では、「調理加工品」カテゴリ全体が伸長したことがわかりました。
調理加工品は、食品に比べて賞味期限が長いという特徴があります。
「買いだめ」「貯蔵用」「非常事態の備え」として購入したともとらえることができます。
また、いままで自炊習慣がなかった人などが買ったことも影響しているのかもしれません。
調理加工品実績をみると、「鍋の素」「ピザ」「調理済総菜」「スナック」が大きく伸長しました。
鍋料理といえば、「手軽でおいしい」イメージがあります。
スーパー売場をみてみると、鍋の素の商品棚が多くなり、味も豊富になってきたのではないのでしょうか。
定番の「キムチ味」「しょうゆ」「味噌」などの味だけでなく、商品の多様化もあると思われます。
東南アジアをモチーフにしたエスニック系や、ご当地メーカーとコラボした商品なども種類の豊富さを押し上げた要因かと思われます。
売上前年同月比推移
売上前年同月比の推移分析を行うと、好調維持、直近向上、伸び悩みになったカテゴリもアウトプットすることができます。
その結果、以下の通りになりました。
好調維持:「カレー」「調理用総菜」
直近向上:「スナック」
伸び悩み:「ご飯類の素・具」「グラタン・ドリア」
直近好調であったのは「スナック」です。2021年7月を境に、売上が向上されました。
逆に伸び悩んだ商品群は「ご飯の素・具」「グラタン・ドリア」です。
まとめ
自炊する人が増えたのではないか?という仮説は、調理加工品を買う習慣が影響しているのかもしれません。
自炊する習慣が増えただけでなく、自宅にいながら美味しい食事を行いたいというニーズも増えたのではないでしょうか。
これからもマーケトピックス編集チームでは、自社で抱える食品ID-POSデータを基に、トピックスを更新して参ります。
マーケトピックス
ID-POSデータ分析の本質①<基礎と活用事例>
ID-POSデータ分析の本質②<基礎と活用事例>
事例
【購買データ分析】流通保有の会員データ分析・コンサルティング
ホワイトペーパー
【メーカー様向け】2022年リテールを取り巻く現状・ID-POSの分析・集客活用事例
【小売業様向け】2022年リテールを取り巻く現状・ID-POSの分析・集客活用事例
最後に
電通リテールマーケティングは、創業当時より、流通・小売や消費財メーカーをはじめ多種多様な業種業態の皆様にデータ分析、データコンサルティング、データ基盤構築、データ分析結果を活用したデータマーケティング事業を展開しております。
・ID-POSデータは保有しているもののデータ分析に活かしきれていない
・自社商品の店頭マーケティングをよりデータドリブンにしていきたい
・データ分析基盤の構築やデータ分析のさらなる効率化を目指したい
といったご要望があればぜひお気軽にお問い合わせください。