2023.10.27
ID-POSデータ分析の本質①
<基礎と活用事例>
データ分析<ノウハウ>
ID-POSデータとは
<ID-POS,POSデータの基本情報>
ID-POSデータとは、顧客のID(性・年代等の様々な顧客情報)が紐づいた購買データを指します。
POSデータは、どの店舗で、いつ、どのような商品が売れたのかを指し示すデータですが、ID-POSデータは、上記のデータに加えて、どのような人がという、「顧客」の詳細データが紐づいたPOSよりもさらに深い購買データを指します。
ID-POSデータを活用することで、顧客が継続的に当該商品を購入しているのか、1年間を通して、その顧客がいくら当該商品や店舗で購買をしているのか(LTV)等を把握することができます。
<ID-POSの取得方法>
ID-POSデータは、各流通小売が発行するポイントカードやポイントアプリを通じてデータが構築されています。場合によっては、キャッシュレス事業者が展開する決済アプリやポイントアプリ等からもデータを収集、データが構築されることもあります。
POSデータとID-POSデータの違い
<POSデータ>
POSデータは、ID(顧客情報)が紐づかない購買データであり、「どのような商品」が、「どの店舗」で、「どれくらい売れたのか」を把握するために利用されます。
「売上」「利益」の管理が主な利用シーンとなります。
<ID-POSデータ>
POSデータと異なり、ID-POSデータは、ID(顧客情報)が紐づく購買情報であるため、上記の利用シーンに加えて、「顧客の管理・育成(CRM)」や「購入顧客のプロファイリング」、「施策の効果検証」、「広告販促施策設計の事前調査」など、より詳細に顧客や商品を分析していきたいときに利用されます。
ID-POSの分析が必要な理由
ドラッグストアや食品スーパー、コンビニエンスストア等の流通・小売は、人口減少やEC化率の上昇なども相まって、新規出店数の減少や既存売上高の頭打ち状態が続いていきます。また昨今のコロナの反動もあり、売上が前年比割れの店舗も出てきています。
消費高齢化、労働人口減少、女性の社会進出、EC化率の上昇、withコロナ・afterコロナの影響もあり、従来型の「安売り・集客」型マーケティングの限界を迎えています。
そのためより継続的な成長を目指すためには、「顧客を逃さず、継続来店の中で客単価を上げる」「優良顧客に付加価値の高い商品を買って頂き、売上・利益を上げる」という「顧客起点型マーケティング」をさらに推し進めていく必要があります。
そして「顧客起点型マーケティング」をさらに推進するためにも、従来型の「勘と経験」に基づくマーケティングではなく、データドリブンなマーケティング、ID-POSデータをより活用したデータマーケティングが必要となってきます。
ID-POSでわかること、分析事例
ID-POSデータの活用は、流通・小売様とメーカー様で利用用途は少し変わってきます。
<流通・小売様 (一例)>
・優良顧客の定義、発見
・固定客づくりに寄与する商品、プロモーションの発見
・顧客が成長するためのキー商品、プロモーションの発見
・「集客」から「固定顧客づくり」までの顧客育成シナリオの発見
<メーカー様 (一例)>
・各ブランド、商品単位での顧客のプロファイリング
・各ブランド、商品単位での顧客ロイヤルティや売上貢献度(流通商談寄与)
・新の競合商品の発見(流出入)
マーケトピックス
コロナ禍のスーパーマーケットID-POSデータを用いた調理加工食品の購買状況変化
上記はほんの一例ではありますが、ID-POSデータをより深堀していくことによって、POSデータでは見ることができなかった「顧客」を把握することができます。
そしてID-POSデータ分析だけにとどまらず、分析結果を活用したマーケティング施策を考えていくことが最も重要になってきます。
以下の記事では、ID-POSデータをCRM起点でどのように活用していくのかを簡単に説明しております。
マーケトピックス
記事:ID-POSデータ分析の本質②<基礎と活用事例>
また各流通・小売にて、どのような商品が売れているのかなどの購買データの種類や
特徴については以下をご閲覧ください。
最後に
電通リテールマーケティングは、創業当時より、流通・小売や消費財メーカーをはじめ多種多様な業種業態の皆様にデータ分析、データコンサルティング、データ基盤構築、データ分析結果を活用したデータマーケティング事業を展開しております。
・ID-POSデータは保有しているもののデータ分析に活かしきれていない
・自社商品の店頭マーケティングをよりデータドリブンにしていきたい
・データ分析基盤の構築やデータ分析のさらなる効率化を目指したい
といったご要望があればぜひお気軽にこちらよりお問い合わせください。