2021.08.19
コロナ拡大前に戻っている消費と戻っていない消費|ドラッグストア編
データ分析<市場調査>
2021年8月現在、新型コロナウィルス(COVID-19)はまだまだ猛威をふるっています。 記憶に新しい2020年の春、マスクやトイレットペーパーなどの日用品が買い占められる騒動が起きました。 流通業界でも大きな変革があった時期です。
電通リテールマーケティングでは全国のドラッグストア450万人の会員ID-POSデータを保有し、流通・メーカーのデータ分析サービスを行っております。
2021年7月までのID-POSデータからドラッグストアにおける売上カテゴリーを調査しました。売上推移から、コロナ前・コロナ禍でどのような変化あったかを紐解いてみます。
日用品・食品・飲料,酒類はコロナ前の水準に戻る
実際にデータを見てみましょう。コロナ禍初期の2020年2月~7月における日用品売上は約5,000万円の売上があり、前年よりも伸びていることが分かります。当時の時世を振り返ってみると、第1回目の緊急事態宣言や、マスクの供給不足が話題になりました。外出を控え家で過ごす“Stay Home”というキーフレーズが生まれた時期でもあります。
2021年8月現在、第4回目の緊急事態宣言化では、第1回目よりも行動制限は緩和されており、1~2週間分の生活必需品を購入する「買いだめ」が落ち着いた、とデータを元に言えるのではないでしょうか。「巣ごもり需要」「オンライン飲み会」などの新語が出てはおりますが、ドラッグストアにおける飲料・酒類の売上も、2019年の水準に戻ったものとみられます。
化粧品・医薬品は減少傾向継続
大きく落ち込んでいるのは化粧品・医薬品です。
外出が制限されるコロナ禍では化粧品の売上が減少しています。化粧頻度が減少したことで、買いだめ習慣も減少したものとみられます。
また、医薬品の落ち込みも顕著です。コロナ禍以前・初期は顕著な売上を上げていたものの、直近になって売上が落ちています。
まとめ
コロナ前に起こった日用品や食品の買い占めは記憶に新しいですが、2021度はコロナ前(2019年)の水準に戻っています。
反面、化粧品や医薬品はコロナ禍を境に消費の落ち込みは依然続いている状況です。