2024.08.30

売り場トレンドレポートvol.4「新感覚を体験できる無人店舗×本屋さん」

Z世代

「売り場トレンドレポート」vol.4

電通リテールマーケティングと電通tempoの共同プロジェクト「ジェネキュン
では、Z世代メンバーが気になるお店を見に行き、その様子をレポートとして発信しています。
Z世代ならではの目線で、そのお店の魅力や見どころ、さらには売り場づくりのアイデアに繋げられそうなポイントを紐解いていきます。
第4回目となる今回は『新感覚を体験できる無人店舗×本屋さん』についてのレポートです。

 

 

売り場トレンドレポートvol.4『新感覚を体験できる無人店舗×本屋さん』

ジェネキュンプロジェクト Z世代メンバーのうめかわです。
趣味は高校生のバスケットボール観戦です♪
そんな私が今回行ったお店は・・・「新感覚を体験できる無人店舗×本屋さん」です!

 

近年、人手不足やコスト削減から、AIやスマートフォンといった技術を活用した無人店舗を開発する企業・業態が増えました。
コンビニエンスストア、フィットネスジム、スイーツ販売所・・・街のあらゆるところで無人で運営する店舗が展開され、お客さまが難なく利用するシーンを見かけます。
そこで今回はZ世代目線で、小売りのトレンドである無人店舗、その中でも無人の”本屋さん”についてレポートしていきます☆

都心のエキナカで営業する15坪の小型書店。
どんな特徴があり、有人の書店とどんな違いがあるのか、わたし、気になります!

 

 

デジタルネイティブであるZ世代にフィットした入退店・決済システム

この店舗は、会員制の無人店舗になっていました。
LINEで公式アプリを友だち登録し、扉の横にあるQR読み込み機器に会員証をかざすことで自動扉が開き、入退店することができます。

出口付近にセルフレジがあり、クレジットをはじめ各種バーコード決済にも対応しています。
本を選び、ここでセルフ会計を行います。
気持ち的には、入店してから会計をするまで内心ドキドキでしたが、人の目を気にせず売り場を自由に歩いて楽しめる新しい購買体験をすることができました!

Z世代は、生まれた頃からインターネットが身近にあり、当たり前のようにスマートフォンやSNSを駆使します。キャッシュレス決済、ネットショッピング、フリマアプリなど、新しい購買形態を柔軟に享受できる特徴があります。

さらに、ジェネキュンが独自に調査した小売り本音調査レポート(※電通tempoサイトへ)を通じて、Z世代は「店頭でもトレンドや流行りをキャッチしながらリアルな購買体験を楽しむ」という”リアルの場ならではの購買価値”を感じている傾向が判明しました。
誰もいない書店に入り、誰の目も気にせずストレスフリーに本をじっくり選び、ひとりで会計して帰る。
店員さんが誰もいないという、ほかでは経験できない新感覚の購買体験は、Z世代に刺さります!

 

 

小さいお店の売場を最大限に活用する特徴とは・・・!

一般的な書店と比べてミニマムな書店ですが、店内にはかなり在庫が詰め込まれています。
オフィス街という立地柄、ビジネス書の比重は高いですが、児童書や料理本も展開され、フルラインナップのジャンルに対応しています。
棚を高くし、本は面陳列ではなく棚刺しにして、平台の下にも本を隙間なく詰め込むことで、在庫量が確保されています。
選べる本の選択肢が広がるので、気になる商品を手に取って中身を確認できます。

 

Z世代はその他世代と比べて、商品の吟味に時間をかける傾向があります。それは店頭でもそうですが、事前の情報収集の段階である程度「この本が気になる・・・」と複数の商品に目星をつけていることが多いです。
新しい出会いも重視するけど、失敗したくないというアンビバレントな性質を持つZ世代。
だからこそ、店頭で商品を比較することには大きな意味があります。
お店として、在庫量が確保され、商品の選択肢が多い状況は、比較検討を重視するZ世代にもフィットする特徴となっています。

 

 

 

無人店舗に通《かよ》った人間味のあふれる売り場展開?

無人店舗、と聞くとただ本が陳列された無機質なお店のイメージがありましたが、POPが多く掲示され、書店独自のフェアが展開されていました。
手書きPOPでは「●●おすすめ!」「迷ったらコレ!」と綴られており、夏にちなんでホラー作品のフェアや新紙幣発行にちなんだ偉人のフェア展開が組まれています。
有人の書店と比較しても遜色ない書店員さんからのあたたかみを感じました。

加えて、通常の有人書店にもあるジャンル別のランキングコーナーもありました。
週間売上を基にジャンル別でランキング付けされた本の棚は、出版業界のトレンドを現わしています。
Z世代が小売りに求める傾向として、どの業態にも通じて「トレンドが分かるコーナーがあるといい」という意見が共通しています。
その点、この書店はひとめで最新トレンドの本を把握できるので、Z世代の読者も求めているものだと思います。

 

 

 

あったらいいなと思う売り場アイデア

私なりに、あったらいいなと思う無人の店舗アイデアを考えてみました!
Z世代が小売りに求めること・期待すること(※電通tempoサイトへ)として「オリジナリティある体験」「トレンドの把握」「映えるコンテンツ」「好きな有名人やキャラクターとのコラボ」「イベント」などが挙げられます。
Z世代のニーズを踏まえつつ、敢えて無人にすることでZ世代も行きたくなる店舗の想像を広げました。

 

例1)無人 × コンビニエンスストア × 好きなアニメキャラクター

無人のコンビニエンスストアの店内で、アニメキャラクターの声優さんが商品紹介をしてくれるお店です。

新商品やフェア商品の棚にあるQRコードを読み取ると、キャラクターの節をきかせた声で商品概要を聴くことができます。

コラボカフェならぬコラボコンビニ、のような位置づけでお客さま・ファンの方がオリジナリティある体験をすることができると思います。

 

例2)無人 × バラエティショップ × 体験・イベント

化粧品を中心に販売するバラエティショップの小型無人店舗で、店内にいるお客さまの”特性”によってクーポンがランダムで発行されるシステムです。入店する際に読み取らせるバーコードにはお客さまのパーソナルな情報を付与してもらいます。

例えば、店内で血液型B型の人が10人集まった場合、乾燥肌に悩むお客さまが10人そろった場合など、その場にいるお客さまの滞在人数×顧客情報が一定の基準をクリアした場合にその場限りで使えるオリジナルクーポンが付与されるサービスです。

店頭で偶発的に起きるイベントを体験できるので、Z世代に刺さると思いました。

 

 

例3)エスカレーター × トレンド把握

今週の○○ランキングTOP5、を商業施設のエスカレーターを昇る際に確認できる施策です。エスカレーターを昇る際に壁側に掲載されているポスターを見ていると、下から第5位第4位・・・1番上で第1位の売れ筋商品を認知することができます。

「気になる第1位は・・・店頭でご確認ください!」と敢えて第1位の商品を秘密にすることで、店舗へ誘致するのも面白そうだと思いました。

まとめ

今回「新感覚を体験できる無人店舗×本屋さん」に行ってみて、無人システムの技術を体験すると共に、新しい購買体験を楽しむことができました。

 

私自身、ランキング棚を見て「あ、前から気になっていたこの作品・・・文庫化してる! しかも映像化するんだ!」と文庫本を購入しました。

トレンドを発信するお店のおかげで、とても面白い作品と巡り合うことができました。

無人店舗の良さは、従来とは異なる設計の店舗・売り場で買い物そのものを楽しめる点にあります。最新のテクノロジーやシステムに柔軟に対応できるZ世代は、無人のお店の特徴を適切に捉え、そのお店の良い点をうまく利用していくのだと感じました。

 

以上! 「新感覚を体験できる無人店舗×本屋さん」についてお伝えしました!

今後もZ世代が気になるお店に足を運び、レポートを発信していく予定です。

 

2024.8.30

 

 

Vol.2はこちら!⇒売り場トレンドレポートvol.2「タイパよくトレンドを知れる小型バラエティショップ」

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