2024.07.04
売り場トレンドレポートvol.3「新しいカルチャーが体験できる商業施設」
Z世代
「売り場トレンドレポート」vol.3
電通リテールマーケティングと電通tempoの共同プロジェクト「ジェネキュン」では、
Z世代メンバーが気になるお店を見に行き、その様子をレポートとして発信しています。
Z世代ならではの目線で、そのお店の魅力や見どころ、
さらには売り場づくりのアイデアに繋げられそうなポイントを紐解いていきます。
第3回目となる今回は、『新しいカルチャーが体験できる商業施設』についてのレポートです。
新しいカルチャーが体験できる商業施設
ジェネキュンプロジェクト Z世代メンバーのいわしたです。
趣味は韓国アイドルのライブに行って推し活をすることです!
そんな私が今回行ったお店は・・・
「新しいカルチャーが体験できる商業施設」です!
クリエイティブカンパニーが手掛ける店舗や個性的な飲食店が立ち並ぶ、文化創造や情報発信を目的にした商業施設です。ここでは多様なカルチャーや新しいエンターテインメントをボーダレスに体験できます。
今回は、いくつか気になる店舗とフロアをピックアップして見てきました。
飴やグミを選んで、贈って楽しめる新しいギフト体験
はじめに、カラフルで可愛い飴やグミを中心に展開している店舗に行きました。
しかし、人気なため整理券での入店規制があり、なんと翌日まで整理券も完売状態だったため、
お店の外から視察をしました。
店内はカラフルな商品が映える白を基調とした内装で、箱詰めされたものや小分け袋の商品が陳列されています。
店外から商品やお客さんの様子を見ていると、あるコーナーに人だかりが!
そのコーナーでは、巾着袋にシールを貼り、バラ売りされたグミや飴を詰め込むことで自分好みにカスタマイズしたギフトセットをつくることができます!
商品は自分へのご褒美やギフト用にもなるような品揃えで、可愛い見た目のお菓子に囲まれながら楽しく買い物ができる点が魅力的に感じました!
飴をあげる楽しさともらう楽しさを作り出したいという気持ちから「ヒトからヒトへつなげる」がコンセプトになっていて、
人とのつながりを求めているZ世代に刺さりやすい店舗だなと思います。
作者は買ってからのお楽しみ!?
匿名になっている総勢277名のアーティストの作品が購入できるチャリティーアートイベントが開催されていました。
作者を匿名にすることで先入観なくアートを楽しむことができ、気に入った作品があった場合には購入することが可能です。
展示終了後に購入した人がはじめて作者を知ることができるという仕組みになっています。
匿名だからこそ、絵そのものに集中して作品を選べることや、初めから名前が分かるアート作品と違い、
購入後もしばらくワクワクできることがとても魅力的に感じました。
最近、ブランド名などを明かさない「匿名」をフックにした展示に注目が集まっています。ブランドや作者の名前が伏せられていることで、これまで知ることがなかった商品や作品に偶発的に出会える点に惹かれるためだと思います。展示会に足を運び、正体が明らかになるまで情報を追いたくなるような、未知との出会いを楽しめる「匿名」というコンテンツは、今後もしばらくZ世代の興味を引きそうだと考えます。
緑があふれる皆のチルアート空間
続いて、フロア全体に装飾された植物と100%再生可能エネルギーを活用したアートが楽しめるパブリックスペースに行きました。
フロアの至るところに、サステナブルな建材を使用した展示物や椅子があり、都心にいるはずなのに自然に囲まれているように感じます!
また、展示物がとてもユニークで、特に太陽をモチーフにした直径4.5mの大きな球体が目を引きました。
太陽のエネルギーが感じられる揺らぎのある赤い光を放っていて、近づいてみると「じりじり」と焚火のような音が。
耳を澄ませながらゆったりと観覧している方も見られました。
家族連れや若者、外国人の方など様々な方がこのスペースを利用していて、椅子に座って会話を楽しんでいる人が多く、憩いの場として賑わっている様子でした。
最近のZ世代は美術館やユニークな展示物に興味関心があり、SNSで話題になっているものを見つけると直接足を運ぶことが多いです。
ここは、アート体験に、さらにサステナブルの要素が加わっていて、よりZ世代の興味が湧くのではないかと感じました。
あったらいいなと思う売り場アイデア
私なりに、あったらいいなと思う売り場アイデアを考えてみました!
今回視察をして、私自身が特に気になったポイントである「サステナブル」「匿名」「カスタマイズ」をフックにしたコト体験ができる販促アイデアです。
例1)サステナブル×カスタマイズ
環境に配慮した商品提供に体験をプラスすることで、Z世代のサステナブルな買い物のきっかけになるお店があれば良いなと思います。
例えば、天然由来成分でできたリップを自分好みの色にカスタマイズしてオリジナルのリップが作れる『サステナブルな化粧品のポップアップ』。
他には、再生可能な資源から制作されたファッションを見て、実際に着て写真を撮ることができ、
オンラインで購入できる『サステナブルファッション展覧会』などもよさそうです。
体験を重視するZ世代にモノづくりを通して、サステナブルに触れてもらうことで、購買意欲にもつなげることができると考えました。
例2)匿名の人にギフトを贈り合うマッチングサービス
Z世代はネット上のつながりだけではなく、狭く深い関係性を望んでいる人が多いと思います。
そのため、日常生活では接点のない職業や年代の人とギフトを通じて知り合えるサービスを考えました!
例えば、相手の性別・趣味・性格などの基本情報を基に、どんな香りが似合う人なのかを想像しながら香りを調合して、
お互いに相手に香水を贈り合うサービスです。
贈る側は相手がどんな人なのかを想像を膨らませる。
香水を受け取る側は自分が他人からみてどんなイメージを持たれたのかが分かる。
匿名ならではの楽しみ方ができる体験だと思いました。
まとめ
今回、「新しいカルチャーが体験できる商業施設」に行ってみて、
サステナブルなアート展示や体験コンテンツ、商品との出会いを通じて新たな発見・学びを得られる、
Z世代にとっての魅力が集約されている場所だと思いました。
また、トレンド発信地にできた商業施設だからといって若者だけが楽しめるという訳ではなく、
幅広い世代や外国人など多様な方々が集まる交流の拠点になっていることが、とても新鮮に感じました。
以上、「新しいカルチャーが体験できる商業施設」についてお伝えしました!
今後もZ世代が気になるお店を見に行き、レポートを発信していく予定です。
2024.6.21
Vol.2はこちら!⇒売り場トレンドレポートvol.2「タイパよくトレンドを知れる小型バラエティショップ」
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